●お屠蘇
渡邊武先生 のご解説です。
屠蘇散は中国の三国時代の名医の華佗(かだ)が作った漢方薬と云われ「邪気を屠(ほう)り魂を蘇(よみがえ)らせる」と云われるところから屠蘇と名付けられました。
年の始めに飲めば、その年は災厄を避けられて幸福を招くと伝えられています。
日本には今から1190年前の弘仁二年(811年)中国の蘇明が来朝の時伝えたもので嵯峨天皇が四方拝の御儀式の後に御用いになったのが始まりで、以後今日まで民間でも天皇に習い、元旦に一家の無病息災と幸福を迎えるために服用しています。
処方は気剤として桂皮・山椒・防風・酒、水剤として赤小豆・蒼朮・土伏苓・桔梗・烏頭、血剤として大黄から構成されて、健胃・整腸・利尿・鎮咳・去痰・防腐・解熱・解毒・発散などの効果があり、水毒を去り保温の効果が顕著です。
日本では烏頭の毒性を怖れて省いていますが、本来烏頭は今年の干支の玄武で、北の守りの寒さ避けの主藥ですから、無毒化された生薬を使えば、冬の保健薬としての藥効を強化するものです。
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